【鳥取】マクロス好きが高じてアニソンバーになった、アニソンバーカルチャー
調査員のように長年オタクバーを追いかけているとオタクバーの日本地図が偏っていることに気づく。
東京、大阪、名古屋、福岡。太平洋側とその周辺には、アニソンバーもオタクバーもそれなりの数がある。ところが日本海側に目を移すと、途端に少なくなるのだ。理由はいくつか心当たりがないこともないが、決定打はわからない。人口の問題なのか、飲み方の文化の違いなのか、単に誰も先に始めなかっただけなのか。
なかでも山陰は空白地帯だった。おたくば!のデータベースを眺めていても、この一帯にオタクバーがいっぱい!という状態になったことがない。
そんな中で「鳥取にアニソンバーができた」という話が耳に入った。
これはもう行くしかないだろう。というわけで、鳥取である。

鳥取駅から歩いて10分。地方都市の駅前としてはごく普通の距離感なのだが、ここを歩いていて少し驚いたことがある。
飲み屋街が、ちゃんと動いているのだ。
関東でも地方でも、看板だけが残って中身が抜けてしまったスナック街をいくつも見てきた。シャッターとテナント募集の紙が交互に並んでいて、夜なのに人の気配がない、あの感じ。鳥取のこの一帯は、そうではなかった。看板に灯が入っていて、扉の向こうから人の声がする。街として現役だな、というのが最初の印象だった。
その通りの一角、青いネオン看板が出ている。アニソンバーカルチャー。目的地はここだ。

目次
看板はゼントラーディ語、入口は二階
アニソンバーカルチャーの看板は、マクロスに登場するゼントラーディ語で「カルチャー」と描かれている。ヤック・デカルチャーである。

看板の下は、いきなり二階へ続く急な階段になっている。壁には料金表のポスターが貼られているのだが、上りながら思わず「ここ、まだ何枚か貼れるな」と考えてしまった。オタクバーを巡りすぎた人間の職業病である。他人様の店の壁の余白を勝手に品定めするのはやめたほうがいい。

開けてびっくり、とにかく広い
扉を開けて最初に出た感想は「広い」だった。
オタクバー・アニソンバーというと、カウンター七〜八席でぎゅうぎゅう、というサイズ感を想像する人が多いと思う。カルチャーは違う。カウンターだけで十人ほど座れて、奥にはL字のソファ席が二区画。マスターに伺ったところ、詰めれば三十人ほど入るとのことだった。地方でこの箱を維持しているのは、それだけで一つの強みだと思う。

内装はマクロス一色……とまでは言わないが、マクロス関連が多い。
御手洗にシェリルとランカがいる
そして、この店で「やられた」と思ったのが御手洗だった。
大きな鏡にシェリル・ノームとランカ・リーのイラストが入っているじゃないか。鏡の中に二人がいる。鏡の中のアクトレス。演出がずるい。
マスターから「ぜひ撮っていってください!」とのことだったので、遠慮なく撮らせてもらった。この店に行く人は、御手洗に寄るのを忘れないほうがいい。

「好きだから始めちゃった」店
店名の由来にもなっているとおり、マスターは筋金入りのマクロス好きである。お客さんも含めて、この日はマクロス多めのカラオケでたいへん盛り上がっていた。

もともとはマクロスをテーマにしたスナックとして営業して、店舗の移転を機に、アニソンバーとしてリニューアルしたのが2026年7月。
「好きだから始めちゃった」経緯を要約すると、だいたいそういう話だった。
アニソン縛りは、ゆるい
看板にはアニソンバーとあるが、歌う曲の縛りはきつくない。アニソン以外を入れても、まったく問題なしという運用だ。
実際、カラオケの履歴をのぞかせてもらうと、80〜90年代のJ-POPがずいぶん入っていた。アニメの話がしたい人も、単に懐かしい曲を歌いたい人も、同じカウンターに座っていられる。この幅の広さは、商圏の狭い地方都市では効いてくるはずで、「アニソンしか歌えない店」にしてしまうと、母数がそのまま売上の天井になる。看板でオタクを呼びつつ、中では締めない。うまいバランスだと思った。

客層は、ほぼ百パーセント鳥取の民
訪問したのは平日。調査員のほかに四名、カウンターに並んで賑わっていた。
客層は、ほぼ全員が地元の人だった。地元の先輩後輩、近隣で飲食店をやっているマスター。オタクバーで遠征客・出張客・観光客が席の何割かを占めることも珍しくないが、この日のアニソンバーカルチャーは地元の店であった。
ついでに鳥取の観光について、見どころを尋ねてみたところ、返ってきたのは「砂丘以外は特に何もない」という、実に潔い答えだった。ちなみに砂丘には行ってきた。あれはいい砂丘だった。

まとめ:地元のオタクが集まれる場所が、ちゃんとある
アニソンバーカルチャーは、鳥取のアニメやアニソンやサブカルが好きな人たちが、夜に集まって歌って喋る、そのための場所である。
マクロス好きのマスターがいて、マクロスに限らずいろんな「好き」を持った地元の人が集まる。
鳥取に行くことがあれば、砂丘のあとに寄ってみてほしい。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 店名 | アニソンバー カルチャー |
| 住所 | 鳥取県鳥取市弥生町391(鳥取駅から徒歩約10分) |
| 飲み放題90分 | アルコール 3,000円(女性 2,500円)/ソフトドリンク 2,000円 |
| 延長(30分ごと) | アルコール 1,000円/ソフトドリンク 500円 |
| 会計システム | 自動延長制 |
| カラオケ | JOYSOUND(アニソン以外も可) |
| 営業時間・定休日 | 20:00〜1:00/不定休 |





