コンセプトカフェデータブックに見る首都圏オタクバーの様相

とある日の深夜、コンセプトカフェやアニソンバーが載っている同人誌が頒布されるらしい、という話を耳にした。その内容が気になってしまった筆者は、翌日に開催されるコミックマーケット94の三日目に参加することを決めた。コミケ初参加を決定した瞬間である。

 

そして入手したのが「コンセプトカフェデータブック」である。

コンセプトカフェデータブックとは

正しくは「首都圏コンセプトカフェデータブック2018夏」。秋葉原を除く首都圏エリアにあるコンセプトカフェやオタクバーに分類される200以上店舗の名前、場所、価格帯などがまとめられた情報系同人誌である。首都圏コンセプトカフェデータブック

ボリュームがスゴイ

まず驚くべきはその情報量。御覧の通りの分厚さ。76Pもあるのだから当然だ。本当に首都圏全般を網羅していて、筆者の知るオタクバーの殆どが掲載されていた。一部情報に抜け漏れがあるものの、同じような趣旨のサイトを運営する身としてその致し方なさはとてもよく分かる。情報が古いとか、もう閉店している店舗があるとか、調べてもなかなか調べつくせないものである。実際にやってみると分かるのだが……おっと、当サイトの悪口はここまでにしておこう。

それにしてもコンセプトカフェデータブックはスゴイ。

おたくば!との違いは

当サイトおたくば!は、アニソンバーやアニメバーなどのオタクバーの専門サイトであり、コンセプトカフェ全般を取り扱ってはいない。一方でコンセプトカフェデータブックは、いわゆる「コンカフェ」全般のうちの一ジャンルとしてオタクバーを含めている分類である。コンセプトカフェの、いったいどこまでコンセプトカフェと考えるのかという定義については諸説あり、なかなか定義することは難しい。

どんな人が書いている?

著者はまっきー氏

コンセプトカフェ巡り好きが高じて執筆に至ったのだという。筆者ももっと精進せねばと、とてもいい刺激を受けた。

他にどんな同人誌がある?

メイドカフェの食事メニューについて書かれた「メイドごはん」や「旅???」という魅力的な、実に魅力的な作品を書かれている。コンカフェ巡りが好きな方におススメしておきたい。筆者が好きなのは「はじっこオタクカフェ」である。こちらは日本のはじっこにあるメイドカフェやオタクバーを訪問する本。宮古島にあるアニソンカラオケバーコーラルやさらに旭川のアニソンバー、あにみゅや帯広のアニソンバーどれみどろっぷの貴重な訪問レポートが掲載されている。いずれの店舗にもいつか訪れてみたい。

首都圏オタクバーの様相

ここからはデータブックを参考に首都圏オタクバーの様相について僭越ながら筆者個人の見解を述べる。筆者の特性上、アニソンバー色が強くなることはご容赦願いたい。

池袋エリア

古くからオタクバーがある池袋は、アニソンカラオケバーの聖地である。アニソンバーの分類のうち、アニソンを聴いて楽しむところとアニソンを歌って楽しむところは異なる。池袋はアニソンを歌って楽しむアニソンカラオケバーが多く、アニソンを歌って楽しむ文化が育った町といえるだろう。

新宿エリア

ここ数年でオタクバーの出店が増えた地域。エリプスギルドはいつ訪れてもにぎわっている印象を受ける。他の地域と比較して深夜営業をしている店が多いことも新宿エリアの特徴である。

中野・高円寺エリア

アニソンバーが全国に広まるきっかけとなったと個人的に考えているアニソンカラオケバーZがある中野エリアだが、Zが強すぎるせいか他のアニソンバーがなかなか出店しない地域でもある。一方、高円寺の方は徐々に店舗数を増やしている。

首都圏広域エリア

都心を離れた郊外型のオタクバーは増加の傾向である。路線でいうと京浜東北線の沿線にオタクバーやアニソンバーが増えつつある。埼玉県には昔からオタクバーが少ないのだが、いずれ増えるかもしれない。厚木や福生のように、オタクバーがない地域での新規出店も今後期待をしている。

 

 

データブックの出展者の隣のブースでは、「萌え旅」というコンセプトカフェの市場調査に近い同人誌も頒布されていた。こちらは全国版となっており、しかも作りがすさまじく手が込んでいて、これは普通に出版されてもいいのではないか?同人誌にしておくことがもったいないと思える逸品だと感じる。こちらも一押しである。萌え旅

 

これらの同人誌から、コンセプトカフェに対する深い愛を読み取れた。当サイトも情報量で負けないよう精進していきたい。オタクバーを専門に取り扱って同じようなことができないだろうか。そんなことを思い描く2018年の夏である。